
オンデマンド講演 紹介
いつでも、どこでも学べる学会へ
本学会では、現地開催に加え、オンデマンド配信による学びの機会を充実させています。本企画では、地域・教育・司法・就労など多彩なフィールドで活躍する作業療法士・関係者の実践を、全9講座で凝縮してお届けします。これまでの教育講演や事例発表では紹介しきれなかった先進的な取り組みに触れ、「つなぐ~ともに築く支援のかたち~」を日々の臨床へつなげる絶好の機会です。現地参加が難しい方も、復習したい方も、いつでも・どこでも学べるオンデマンド講演をぜひご活用ください。
配信期間:5月1日(金)~6月30日(火)
“一家に一人作業療法士”
地域に根付いた作業療法を目指して
山本 洋人 氏
(おうちでkaigo企業組合)
厚生労働省は、2040年に向けて、全ての市町村で、福祉分野を超えた連携や地域との協働が進み、包括的な支援体制の整備を通じた地域共生社会の実現を目指しています。地域包括ケアシステムから地域共生社会へと転換している今の社会において、重層的支援体制整備事業などの手法が用いられるようになり、相談支援や参加支援、地域づくりが重要になっています。これからの地域社会の課題に対して、我々作業療法士は地域包括ケアシステムで参画をしてきた地域ケア会議、通いの場、サービスCだけでなく、より地域住民に近い関係性が求められるようになってきます。そして、高齢者のみならず身体・精神・発達障害も含めた包括的な支援として、我々作業療法士が地域に意識を向け、個々の生活をマネジメントしていく必要があると感じています。今回、地域作業療法の一つの形として私の活動を報告し、作業療法士の可能性と必要性をお伝えしていきたいと思います。

■地域・自由診療
地域でこどもを育てる社会へ
-OTがつなぐ支援の輪-
佐々木 直美 氏 (合同会社ちあーず)
岩本 花奈子 氏 (三島市健幸福祉部発達支援課
/児童発達支援事業所はぐくむ函南柏谷教室)
こどもを取り巻く課題が、年々とても多様になってきていると感じています。学校教育、医療、福祉、保健など、それぞれの分野には大切な役割がありますが、どこか一つの分野だけで支えることが難しい場面も増えてきました。
そんな今、ますます大切になると考えているのが、「地域の力」。こどもを、家庭や学校、専門職だけでなく、地域や社会全体で育てていくことができたら――。
「こんなところがあったらいいな」、そんな思いから始めた取り組みは、園や学校、行政や福祉の関係者、町の人たち、そして地域で活動する作業療法士の仲間とのつながりによって、少しずつ形になってきました。
今回は、OTと地域がつながり、思いを結ぶことで生まれた3つの実践、「園・学校への訪問支援」、「5歳児健診への関わり」、「道具の使い方教室の実践」についてご紹介します。


■こども×地域
触法者に対するシームレスな地域支援
-作業療法士ができること-
吉田 裕紀 氏
(常葉大学保健医療学部作業療法科)
2025年に拘禁刑が施行され、司法領域の作業療法も大きな転換期を迎えている。刑務所への作業療法士の常勤採用の拡大はもちろんのこと、刑務所内の処遇部門、医療部門、教育部門などの各部門で関わる作業療法士たちによるユニークで革新的なプログラムが目立つようになってきた。筆者も現在、触法者らの「お金」と「生活」に着目した研究に着手しており、将来的には触法者らのためのマネーリテラシープログラムを考案したいと考えている。また、触法者本人だけの支援では限界があると感じており、その家族に対する支援も必要不可欠であると考えている。
2025年8月、筆者ら司法領域に従事する作業療法士はスウェーデンを訪問し、多くの貴重なヒントを得ることができた。本報告では、スウェーデンの視察から得られた情報や知見も踏まえながら、拘禁刑下で実施するシームレスな地域支援に対し、作業療法士ができることは何か、私見を述べたい。

■司法領域
『技術と経験をつなぐ』
~東大阪病院における
卒後共育と教育管理の工夫~
椎木 洋子 氏
(東大阪病院)
当院では「共育」という考え方を大切にし、「患者さんのために1回の治療で変化を出せる療法士」という共育目標を掲げ、療法士育成に取り組んでいます。新人作業療法士には、入職時研修やリスクマネジメントテスト、必須・推奨プログラム、そして、新人から若手には臨床指導等、安心して段階的に成長できる機会をつくっています。また、役職者や役職候補者には、臨床指導の方法やコミュニケーション、思考の整理に役立つフレームワークなど、世代に合わせた学びを試みています。
症例検討会は全員参加とし、立場に関わらず互いの実践を共有し、高め合う時間としています。臨床指導は、今までの経験から導き出した『3つの約束』を大切にし、若手が自信を持って取り組める工夫をしています。さらに、これらの取り組みが業務時間内で行えるよう、運営面の工夫を続けています。
講座では、ここに至るまでの道のりや現在も続く試行錯誤についても触れてまいります。

■教育・人材育成
傷病後の自動車運転中止をどう支援するか
-生活再構築を見据えた医療機関の実践-
那須 識徳 氏
(農協共済中伊豆リハビリテーションセンター)
近年、リハビリテーション分野において、傷病後の自動車運転支援への関心は高まりを見せている。自動車運転は、就労や社会参加を含む地域生活と密接に関連する重要な生活手段であり、その再開を希望するクライアントは少なくない。一方で、自動車運転評価を受けたすべてのクライアントが運転再開に至るわけではなく、再開困難あるいは中止を余儀なくされる場合も多い。運転が再開できない場合、地域生活における行動範囲の縮小や社会的孤立、抑うつ傾向などの健康問題が生じる可能性が指摘されている。しかし、従来の運転支援は再開の可否判断に焦点が当たりやすく、再開に至らなかった場合の生活支援や再構築に関する視点は十分に整理されていない。本研修会では、運転再開に至らなかった場合に、医療者としてどのような支援が求められるのかについて、医療機関における運転支援の実践および関連研究を踏まえながら多角的に整理・検討する.

■自動車運転支援
本人と家族会とつなぐ
-学術部認知症班の活動を通して-
石切山 淳一 氏
(静岡リハビリテーション病院)
令和7年9月時点で65歳以上の高齢者は3,619万人で高齢化率は29.3%となり、静岡県の高齢化率は34.1%と今後高齢化率は上昇していくと予想される。そうした中、近年の施策では、令和元年に知症施策推進大綱、そして令和6年に共生社会の実現を推進するための認知症基本法が施行された。
現在、自身は静岡県作業療法士会の学術部で認知症班として活動している。県士会活動の一環として令和5年から認知症の人と共に家族の会静岡県支部の「すぎなの会のつどい」に参加し、令和6年度からは本人ミーティング内の活動として「OTタイム」を実施している。静岡県には、東部、中部、西部の各地区に家族会があり身近なものなっている。
現在、認知症班は6名で協力して活動しており、今回、対象者と社会を「つなぐ」視点で活動紹介やその課題について共有したい。また今回の講演を通して家族会の活動に興味を持ち、実際に関わるOTが増える事を期待したい。

■認知症・家族支援
高次脳機能障害領域における
「つなぐ」を考える
~評価結果を作業療法プログラムにつなぐ
・医療機関から地域につなぐ~
秋山 尚也 氏
(聖隷沼津病院)
高次脳機能障害の支援は,活動・参加に向け,認知機能の評価・治療や生活・対人技能向上,障害認識の改善,家族機能の支援,地域連携など「包括的な支援」を提供する必要があります.高次脳機能障害に対する評価は,神経心理学的検査だけではなく,行動観察評価,強みを含めできることも評価をする必要があります.評価で得られた結果から,自己認識や脳の階層に合わせ,対象者が興味・関心のある作業も取り入れたプログラムの立案に「つなぎ」ます. また,高次脳機能障害者の支援において,重要な点として,医療機関を退院後,残存能力を活かし,趣味や生きがい・参加に「つなげる」ことです.医療機関だけでは参加や新たな活動に「つなげる」ことは困難であり,適切な時期に地域施設・専門職に「つなぎ」,包括的かつ連続した支援を提供していくことが大切です.
2025年12月に高次脳機能障害者支援法が可決されました.今後専門的かつ体系的な支援体制の構築が期待され,作業療法士に求められる役割も増加すると予想されます.本講義が支援の一助になれば幸いです.

■高次脳機能障害
医療が支えた“その後”
-頸椎損傷から社会復帰へ-
一藤木 清司 氏
(Bloomberg L.P. 人事部)
私は19歳の時、交通事故で頚椎を損傷し、四肢に麻痺が残る重度障害を負いました。受傷後はOTやPTの先生方と、長期にわたるリハビリを重ね、動かなかった腕も徐々に使えるようになり、食事やPC操作ができるまでに回復しました。退院後、私を支えてくれた家族への恩返しをしたいという思いを原動力に、「重度障害があっても社会とつながり、働きながら生きていきたい」と考え、就労を目指しました。
就職活動当時はコロナ禍で、静岡県内では重度障害者の就労機会が限られていましたが、キャリア支援事業所での訓練や自己発信を経て、現在は金融テクノロジー企業のブルームバーグにおいて在宅勤務で就労しています。業務では、障害のある当事者の立場から障害者雇用に携わり、採用活動に加えて、職場環境の調整や関係部署との連携などのサポートを行っています。
これまでの経験から、目指す将来像や働きたいという思いは、障害に左右されません。本人の意思を尊重し、適切な支援や環境調整があれば、重度障害があっても就労の可能性は大きく広がると実感しました。

■就労支援
排泄動作をどう“みる”か、
どう“支える”か
-明日からのADL支援につなげるヒント-
白木原 法隆 氏
(掛川東病院)
排泄動作をどう "みる" か、どう "支える"か ー明日からのADL支援につなげるヒントー
対象者の多くが「家に帰りたい」と願う背景には、移動能力の獲得だけでなく排泄動作の確立も深く関わっています。しかし、排泄動作のどこに着目し、何を評価・介入すればよいのか、迷うことはありませんか? 実際の排泄場面では、トイレまでの移動、ドアの開閉、車いすのブレーキ操作、便座への移乗、姿勢の保持、衣服の着脱、清拭、後始末などの一連の動作を確認します。今回は、回復期リハビリテーション病棟で自宅復帰を目指す片麻痺患者の衣服着脱までに焦点を当て、姿勢制御の視点、非麻痺側上肢の代償戦略、環境との適応性を実例を通して解説します。多職種や家族との連携・役割分担を含め、明日から使える評価の視点と介入戦略をお伝えします。患者のQOL向上とセラピストとしての成長につながる内容です。

■環境適応・ADL支援

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