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​学会長挨拶

 この度、第39回静岡県作業療法学会の学会長を務めさせていただくことになりました、NTT東日本伊豆病院の齊藤洋平です。このような貴重な機会を与えていただき誠に感謝しております。どうぞよろしくお願いいたします。

 2040年に35%以上になると推計される超長寿社会に対応したリハビリテーションの需要はさらに増加し、制度の柔軟性と持続可能性が求められています。2024年度の法改定では医療施設と地域支援の具体的な連携についての条件も設定されると同時にリハビリテーションと多業種の連携についての提案もなされました。医療と介護の連携を深め、シームレスなサービス支援提供を実現するための地域包括ケアシステムの構築については、その重要性は増すものの地域差を認めている状況です。さらには社会全体として多様性というキーワードが注目され、地域共生社会の実現が今後のリハビリテーションに必要な目標となります。

 本学会のテーマは「つなぐ~ともに築く支援のかたち~」とさせていただきました。これは、変化の激しい現代社会において、作業療法士が臨床実践や教育、研究の場において、より柔軟で創造的に対応していくためのキーワードであると考えています。特に、私たちが取り組むべきつなぐ作業について、次の三つの視点を考えました。

一つ目は、作業療法の対象者を“つなぐ”です。

 日々の臨床の中で私たちは患者・利用者と関わりながら、その人らしい生活の再構築を支援しています。利用者のこれまでの生活、または新たな生活へとつなぐ役割があるとともに、利用者と家族や地域、社会へとつなぐ視点も重要となります。改めて、自らの実践に立ち返り、その意味や価値を深く見つめる機会としたいと考えています。

二つ目は、作業療法士を“つなぐ”です。

 多様性の需要が注目されている昨今、私たちの対象者はさまざまです。多重的な重複課題を解決するためには作業療法の専門領域を超え、多様なフィールドで知識や情報をつなぐことが対象者の課題解決に必要な、より質の高い支援の実現を目指すことができ、作業療法の可能性を押し広げる重要な要素でもあると考えます。

三つ目は、作業療法と多職種を“つなぐ”です。

 医療機関でのチームアプローチは当然のことこれまでも実践されてきていますが、利用者の課題解決のために連続的、柔軟的なチームの構成と実践について再度確認する機会が必要と考えます。また同様の構成は地域支援では速度が低下し、利用者の生活課題の解決に時間を要する場面を経験してきました。多職種の専門性を知り、認め、協働することや在宅、地域支援場面における多くの連携やチームの在り方について学び、多職種同士をつなぐ役割を作業療法士は担えると考えています。

 これら視点において作業療法士は自らこれらのつながりを構成する、“つなぐ”役割を担えるのではないかと考えています。自らの可能性と限界を知り、他を認め、対象者のために必要な人材や環境を積極的につなぐことができるためにはどうすればよいのか学会を通して検討したいと思います。

 また、今回の学会は1日開催となります。内容を凝縮し、現地開催企画以外にもオンデマンド配信や見逃し配信など多くのコンテンツを用意させていただき、参加された皆さま一人ひとりが「明日からの臨床」、そして「これからの作業療法」へとつなぐ場となるよう、心を込めて準備を進めてまいります。

 多くの皆様の積極的なご参加とご発表を心よりお待ち申し上げております。

第39回静岡県作業療法学会

学会長 齊藤 洋平

​(NTT東日本伊豆病院)

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第39回静岡県作業療法学会事務局

〒411-0943 静岡県駿東郡長泉町下土狩1293-1 JAふじ伊豆下土狩ビル3階
社会福祉法人 農協共済中伊豆リハビリテーションセンター
訪問看護ステーションあおぞら 伊海 友雪 (学会事務局長)
E-mail:
39sotc@gmail.com

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